高等学校卒業と自立に向けたトータルサポート 通信制課程

理事長ブログ

2018年10月25日

その他

本日は東京都渋谷区で「LGBT関連事業」について勉強させていただきました。

本日は東京都渋谷区で「LGBT関連事業」について勉強させていただきました。

渋谷区は、男女の人権の尊重と共に、「性的少数者の人権を尊重する社会」の形成を推進し、「ちがいを ちからに 変える街」という基本構想を策定し、まちづくりを行っています。

LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、それぞれの英語の頭文字からとった性的少数者 (セクシャルマイノリティ)を表す言葉の一つです。

2015年に電通が行った「LGBT調査2015」によると7.6%の方々が、今年三重県が高校2年生を対象に行った調査では約10%の方々が、LGBTであると公表されました。

渋谷区は、LGBT関連事業の一環として、全国で初めて同性カップルに対し結婚に準じる関係と認め、「パートナーシップ証明書」を発行されました。パートナーシップ証明書は、その証明書発行を含めた条例案が、2015年3月31日の渋谷区議会本会議で可決、成立し、同じ年の4月1日に施行されました。

この条例により、渋谷区や区民、事業者に対して、性的少数者への差別を禁止すると共に、同性カップルが異性間の結婚に準ずる関係であることを、渋谷区長が認定して証明書を発行した場合、異性の婚姻関係と異ならない程度の最大限の配慮が受けられる権利を保障しています。

法的な強制力や拘束力を伴うものではありませんが、これまで家族でなければ同居が認められなかった区営住宅への入居を始め、病院での手術や入院の際の付き添いなどができるようになりました。

LGBTの課題は、他の方々が当たり前にできている社会資源へのアクセスが、制限されたり、阻害されたり、できにくい・できない、そのことの課題が一番大きいのだと教えていただきました。
目指すべきは、差別や偏見、無関心に起因する地域の様々な社会資源へのアクセス改善です。

少し話は逸れますが、「障害」とは、本人の課題だという議論が時折ありますが、もちろん本人が乗り越えていかないといけない課題はあるにせよ、本質的な「障害」とは、本人と社会との間にある軋轢や障壁、偏見こそが本当の「障害」であり、そこをどう解決していくかが、行政も含めた社会の役割であり、社会全体の在り方が問われていると、私は思っています。
そうでないと、本質的な課題から遠ざかってしまうのではないかという危機感も感じています。

LGBTに関しても、障害に対する考え方と同じように、今、社会全体の在り方が問われているのだと、今日学ばせていただき改めて感じました。

また、勉強会の会場となった「渋谷男女平等・ダイバーシティセンター〈アイリス〉」は、男女平等と多様性社会の推進を目的とし、さまざまな問題を解決するための学習・活動・交流の拠点となるため開設された施設で、男女平等・多様性社会推進のための事業の取り組みについても学ばせていただきました。

ダイバーシティとは、「多様性」という意味の言葉で、そこから派生し1990年代にアメリカにおいてマイノリティーや女性の積極的な採用、差別のない処遇を実現するために広がった考え方です。

近年、日本においても性別や人種の違いに限らず、年齢、性格、学歴、価値観などの多様性を受け入れ、広く人材を積極的に活用しようという考え方が企業を中心に広がってきました。

「LGBT」に対する考え方も、「ダイバーシティ」に対する考え方も、これは「発達障害」に対する考え方にも言えることですが、人の持つ「多様性」に対して、社会がどう向き合い、どう理解し、どう支援をしていくのか、という在り方が今問われていると感じています。

「多様性」に対する在り方を一つ一つ整理していくことは、特にこれからを生きる子ども達は、学ぶべき、理解すべきことだと感じています。

今後、労働力不足から日本にいても外国人の方と共に働くことが当たり前となる社会になる可能性もあります。更に社会の多様化が進んでいく可能性が高いです。

その時に子ども達が、社会の中で困り感や傷付き体験をしたまま孤立しないように、また誰かを傷付けたり、苦しめたりする人にさせないように、今から子ども達が学んでおくべきことは沢山あります。

教育現場を始め、様々な場面で学ぶ機会を創出できるよう、これからも引き続き取り組みを進めていきたいと、改めて感じさせていただけた勉強の機会となりました。

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